感染/ディスタンス
世界中が、先の見えない不安な状況に陥った、暗く不安な時代を経て、いま私たちはようやくトンネルの先の光をとらえ始めています。自由な移動や他者との接触がままならない日常は、人との距離に対する意識を変えました。同時に、感染することは、完全に忌まれるものとなりました。
しかしinfectionとは、液に浸すこと(inficere)を語源とし、別の色を帯びる(dye)変化を意味します。本来、他文化に染まり、自分とは異なる価値観に染まることは、自己の拡張でもあったはずです。
感染をポジティヴに捉えなおしたい。文芸を通して、もういちど多文化への感染の喜びを取り戻したい。私たちはそう考えます。どのような表現形式であってもかまいません。私たちのテーマへの応答をお待ちしています。
京都文学レジデンシーは、2020年秋に日本で最初の国際的な文学レジデンシーを実施予定でしたが、パンデミックのため延期を決定しました。近い将来、顔を合わせて京都に集まるための準備と並行し、世界各国の書き手を対象に原稿を募集する「紙上レジデンシー」プロジェクトを実施します。書評家・江南亜美子を中心とする京都文学レジデンシーの編集チームにより審査された原稿は、日本語に翻訳され、今冬に発刊予定の冊子に掲載されます。2021年8月31日までに下記資料をkyotowritersresidency@gmail.comへお送りください。
・ご自身のプロフィール、作品タイトルと提出した原稿の言語(日本語もしくは英語、1ページ以内にまとめること)
・PDFフォーマットで、A4 5ページ以内の原稿
吉田恭子、澤西祐典を中心に2021年に実行委員会を設立。日本で最初の国際的な文学レジデンシーを京都で準備中。実行委員兼編集チームは、吉田恭子(作家・翻訳家・立命館大学教授)、澤西祐典(作家・龍谷大学講師)、河田学(文学理論・創作教育、京都芸術大学教授)、藤井光(翻訳家・東京大学准教授)、江南亜美子(書評家・京都芸術大学専任講師)。
問い合わせ:
京都文学レジデンシー
E-mail: kyotowritersresidency@gmail.com
WEB: https://kyotowriters.org/
主催:京都文学レジデンシー実行委員会 協賛:香老舗 松栄堂