FAQ
- Q1:アーティスト・イン・レジデンスって、なんですか?
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アーティスト・イン・レジデンス(Artist in Residence、「AIR」)とは、国内外からアーティストを一定期間招へいして、滞在中の活動を支援する事業です。日本においては1990年代前半からAIRへの関心が高まり、地方自治体やアートNPOがその担い手となって取り組むケースが増えてきています。
- Q2:アーティスト・イン・レジデンスは、いつ始まったのですか?
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一般的には、1666年、フランス王立アカデミーが栄誉ある「ローマ賞」を受賞した自国のアーティストたちを自己研鑽のためにローマに派遣したことに遡ると言われています。
- Q3:アーティスト・イン・レジデンスにはどのような分野がありますか?
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音楽、演劇、美術分野をはじめとして、建築、文学、デザインなどさまざまな分野のAIRがあります。また、アーティストだけではなく研究者向けのプログラムも存在します。近年はシェフ・イン・レジデンスやライター・イン・レジデンスなど様々なジャンルのクリエーター向けのプログラムもみられます。
- Q4:参加に必要な条件や資格がありますか?
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AIR プログラムに参加するには、各プログラムへ申請書の提出、あるいはプレゼンテーションなどが必要とされます。申請については、公募制、推薦制などによっても方法が異なります。芸術系学生支援、若手、キャリアアップ、サバティカル(充電休暇)など、アーティストのニーズに沿ったプログラムがあり、それぞれ年齢制限がある場合もあるので確認が必要です。
また、日本では、地方公共団体が運営しているAIRも多く、その場合は、地域に開かれたオープン・スタジオやワークショップを開くことを条件として求められることもあります。 - Q5:滞在可能な期間はどのぐらいですか?
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1カ月程度の短期滞在から、1〜3年など複数年にわたるものなど、各プログラムによって異なります。
- Q6:申請の方法やスケジュールについて教えて下さい。
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規定の申請書のほか、ポートフォリオなどの実績を示すもの、推薦書の添付を求められる場合など、各プログラムによって大きく異なります。国内外を問わず主催者のウェブサイトなどで募集の告知が行なわれますので、内容にしたがって申請書を作成し応募します。
スケジュールについては、年度毎に募集をする場合と、年間にわたり申請を受け付ける場合とがあります。 - Q7:自己資金(交通費、滞在費など)を必要としますか?
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すべての資金を自己負担する場合と、主催者からの各種支援を受けられる場合があります(次項参照)。自己資金のみでの滞在制作を検討する際には、各国内で設けられている芸術家個人の活動に対する(公私)各種助成制度を利用することを検討してもいいでしょう。
- Q8:AIR参加にあたり、どのようなサポートを受けられますか?
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主催者による支援は概ね下記のような内容が挙げられますが、各プログラムによって大きく異なります。自身の希望条件とマッチするかどうか申請前に確認する必要があります。
・資金的支援(渡航、制作、滞在等のための助成や報酬等)
・ハード面での支援(制作スタジオ、展示スペース、宿泊施設等)
・ソフト面でのおもに人的サポート(テクニカルスタッフ、アシスタント、ボランティア等) - Q9:参加することでどのようなメリットや成果がありますか?
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同時期に滞在するアーティストや研究者、また、プログラムを主催するインスティテューションなどとの交流を通してネットワークが生まれ、今後の活動に対する可能性が生まれるきっかけとなります。また、こうしたキャリアアップのみならず、アーティストにとって、自身を振り返る時間、新たな表現へと挑戦する場を得ることでもあり、有形無形の成果を得ることができます。
- Q10:海外のAIR に参加するために、語学力はどの程度必要でしょうか?
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いずれのプログラムにおいても、英語あるいは滞在先の国の言語で日常会話ができることが最低条件になります。また、滞在条件によって、ワークショップ、レクチャーなどを求められる場合が多いので、それらに対応する語学力が必要になります。
- Q11:滞在制作をした場合、作品の帰属はどうなりますか?
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各プログラムの条件によります。制作した作品の権利はアーティストに帰属することが多いようですが、野外作品など、パーマネント(あるいはそれに準ずる)制作を行なう場合、著作権はアーティストに、所有・使用権は主催者にそれぞれ帰属するケースもあります。アーティストと主催者間で十分な協議をする必要があります。
- Q12:このサイト以外にAIRについての情報を得る方法はありますか?
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国内外の各AIRプログラムが各自のウェブサイトで情報を提供しており、それぞれの特性や活動の詳細、募集要件を調べることができます。また、世界各国のAIR 情報のアーカイブを提供する「Trans Artists」、国際的なAIRプログラムのネットワーク組織「Res Artis」などもあります。日本国内では「AIR Network Japan」のほか、各国の大使館、文化機関からもさまざまな情報が発信されています。
> リンク集 - Q13:ビザはどのように取得したらいいですか?
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通常は、滞在する国の大使館・領事館へ申請し滞在内容に応じたビザを取得する必要があります。滞在期間や国により異なりますので、どのような種類のビザが必要か、主催者に相談するといいでしょう。
> リンク集
リンク集
国内外のアーティスト・イン・レジデンス情報
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AIR Network Japan
日本国内のアーティスト・イン・レジデンスネットワーク。AIR運営者相互の連携促進、情報発信を行う中間支援的ネットワーク。
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Res Artis
世界最大級のアーティスト・イン・レジデンスネットワークサイト。募集中のプログラムの検索が可能。
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TransArtists
オランダのDutch Cultureが運営するアーティスト・イン・レジデンス総合サイト。世界中の募集プログラム情報や関連記事を掲載。
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China Residencies
中国及び香港のアーティスト・イン・レジデンスに関するサイト。レジデンス情報やシティ・ガイド、生活ティップスも。
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Micro Residence Network
小規模なレジデンスによる国際ネットワーク。レジデンス情報を掲載するほか、シンポジウムやフォーラムを定期的に開催し、相互の連携促進を図る。
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Arts Residency Network Taiwan
台湾文化部が運営するネットワーク。国内外のアーティスト・イン・レジデンスの紹介、関連する台湾の文化施策などの情報を発信するほか、海外での滞在制作を経験したアーティストによる記事なども。
お役立ち情報
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JNTO
日本政府観光局が運営する、訪日する海外旅行者向けのサイト。各地の祭事や観光案内などを掲載するほか訪日者向けホットラインも。
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外務省(海外渡航・滞在)
日本国籍以外の方が日本に滞在するためのビザ取得に関する情報。
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法務省(在留資格認定証明書交付申請)
長期滞在等のビザ取得のための在留資格認定証明書の交付に関する情報。
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外務省 海外安全ホームページ
国・地域別の海外安全情報。オンライン在留届の申請や海外生活に関する情報も掲載。
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外務省(駐日外国公館リスト)
海外に滞在する日本国籍者が滞在先国のビザを申請する各国の大使館・領事館リスト。